津波と海岸林に関する調査研究事業

 

1.事業の目的及び概要

平成23311日に発生した東北地方太平洋沖地震は、近来にない大規模な津波を発生させ、500kmに及ぶ沿岸部に未曾有の被害をもたらしている。海岸林は、古来、津波の勢いを減速させることなどにより、後背地の農地、建物等への被害を軽減させる機能を有するといわれている。しかるに、今回の津波では、高田の松原が壊滅的な状態になるなど、海岸林の被害も甚大である。

 今後の東日本大震災の復旧にあたって、海岸林のあり方が重要な課題となることに鑑み、津波と海岸林に関する資料、文献を収集・分析するとともに、復旧計画における海岸林の位置づけ、被災地のおける海岸林造成技術等について調査検討することとする。

 

2.事業の内容

森林保全・管理技術研究会(以下「研究会」という。」に、津波と海岸林に関する調査研究委員会(以下「委員会」という。」を置き、津波と海岸林に関する調査研究事業(以下「調査研究事業」という。)を実施する。

 調査研究事業の内容は次のとおりである。

 

(1)津波と海岸林に関する資料の収集・分析

@ 過去に発生した津波と海岸林に関する資料、文献

A 津波と海岸林に関する研究論文、知見等

 

(2)東北地方太平洋沖地震による海岸林の効果と被害についての調査検討

 @ 高分解能衛星写真を用いた海岸林の被災状況の把握

 A 高分解能衛星写真を用いた海岸林の有無と後背地被災状況の比較検討

 

(3)復旧計画の中での海岸林のあり方に関する調査検討

@        市街地・農地等復旧計画における海岸林の配置のあり方

 A 津波被災跡地等における海岸林の造成、改良技術について

 

3.事業の実施による波及効果

本事業は、過去のデータの収集・分析を行うとともに、復旧計画における海岸林のあり方につて課題を提言するもである。広範囲にわたる被災地の復旧にあたって、計画作成段階での貴重な資料として役立つものと思慮される。

津波と海岸林に関する調査研究事業の進め方

 

 

1.津波と海岸林に関する調査研究委員会の設置

森林保全・管理技術研究会に、津波と海岸林に関する調査研究委員会を設置して、津波と海岸林に関する調査研究事業を実施する。

 

2.各課題ごとの進め方

 

(1)津波と海岸林に関する資料の収集・分析

河合英二委員を主査として原田賢治委員、藤森隆郎委員等の協力の下で、6月中を目途に資料の収集・分析を行う。

 

(2)東北地方太平洋沖地震による海岸林の効果と被害についての調査検討

@ 高分解能衛星写真等を用いた調査分析は、沢田治雄委員を主査とし、越智士郎氏(研究会事務局)の指導の下に6月中を目途に実施する。

 A 現地調査については、大野亮一委員、渡邊悦夫委員の協力の下に出来るだけ早い時期に実施する。

B 具体的な現地調査の場所は、@の調査分析の結果に基づき被害の状況、海岸林効果等からみて代表的なタイプの個所を選定する。

 

(3)復旧計画の中での海岸林のあり方に関する調査検討

@ 市街地・農地等復旧計画における海岸林の配置のあり方

A 津波被災跡地等における海岸林の造成、改良技術について

 委員会において一般的な海岸林配置のあり方、海岸林造成・改良技術等について整理するとともに、現地調査個所については具体的な提言をまとめるよう努力する。